慢性的な人手不足に悩む介護業界の現状

人手不足に悩まされている介護業界には、主に二つの理由があります。
一つ目は労力が大きいにも関わらず、得られる給料が少ない点です。
人の体はとても重く、体力を求められるのが介護業界といえるでしょう。

介護に関連している器具が発達していても、最終的には人の力が必要になり、介護士は体力の消費が激しいといわれています。
しかも、そのような状況でも獲得できる給与は月平均で十数万円であるケースがほとんどなので、どうしても他の職業と比較すると不満に感じるようです。
若い人は特に介護離れが深刻化しており、多くの給料を獲得できる業界や職業に優秀な人材を取られてしまうのが現状です。

そしてもう一つの理由として、過酷労働になりやすいのも問題視されています。
昔は介護を必要とする人がそこまで多くはなく、人手が少なくても何とか対応することができていました。
しかし今は、高齢者もしくは介護を希望する方が増えている反面、介護の仕事に従事する人が足りていません。
そのため、一人に発生する仕事量がどんどん増えていて、多くの介護施設で深刻な過酷労働を生み出す結果になっています。
一日に十数時間も仕事をしなくてはいけない状況もあり、これに耐えられなくて離職する人は後を経ちません。

そこで現在、この二つの問題を解消するために、国や介護施設が給料の見直しを進めています。
また、若い人を中心に、介護に興味を持ってもらえるような工夫もされていますし、労働環境改善を目指して、50代や60代の中高年世代の採用も進められています。
急激な環境の変化は難しいかもしれませんが、今後の介護業界に期待したいものです。